四季星彩

astro365.exblog.jp

星・天文に関係する日々の記録

東大木曽観測所 その2 ★ニコンの望遠鏡がある施設★

その1からの続き。
メインの105cmシュミット望遠鏡。
補正板径1050mm、主鏡径1500mm、焦点距離3300mm、F=3.1。シュミット望遠鏡の場合、補正板径で語られるのですが、主鏡サイズは、当時国産最大の直径150cmあります。
e0208718_20452580.jpg
こちらは以前、カメラを渡し撮影して頂きました。
e0208718_20453278.jpg
人のサイズからも、この望遠鏡の大きさがわかるかと思います。
e0208718_2053323.jpg
ローアングルで撮影するとその大きさが引き立ちます。ニコン75年史によれば、搬入時は全体を分割し、複数台のトラックで運搬とのこと。その際、山道での振動、衝撃を極限に抑えるためトラックごとに加速度計を取り付け、コースごとの走行速度(例えば時速6km徐行)を決め運搬したとのことです。
その頃の様子を伝える写真が国立天文台アーカイブ新聞804号(pdf)825号(pdf)826号(pdf)870号(pdf)に掲載されています。
e0208718_2046964.jpg
望遠鏡の断面図です。写真乾板ホルダーと記載あるところが焦点面であり、鏡筒のど真ん中にあります。今は、ここに撮像素子が配置されています。ちなみに素子はキヤノン製です。
e0208718_20595279.jpg
ドームに白い布がつるされています。これはホワイトバランスをとるための布で、アマチュアの天体写真と同じです。
e0208718_20501226.jpg
こちらは対物プリズムで、断面図にあるように鏡筒先端に付けます。頂角2°と4°用があり、グラブパーソンズ製、枠は法月鉄工所製(続アマチュア天文史P289より)とのことです。
e0208718_2046469.jpg
こちらもカメラをお渡しし撮影して頂いた画像です。主鏡側のカバーと思われます。
e0208718_20473332.jpg
こちらはロボットアーム。三菱電機製です。フィルター交換で活躍します。鏡筒にロボットアームがあるのはこの望遠鏡だけとのこと。
e0208718_20474069.jpg
フィルターストックと左に赤フィルターが挿入された状態が撮影されています。先のロボットアームにて、フィルターストックから取り出し、左に差し込みます。つかむところは、ステンレスのピンが2本見えています。
e0208718_20482426.jpg
駆動系の解説です。2013年に西村製作所にてモータ直結に改造されました。40年以上経過した望遠鏡がキヤノン、三菱電機、西村製作所、ニコンと国内の名だたるメーカの手によって今でも最新の機材として生かされています。
e0208718_20483027.jpg
昔のギア群です。約100個の歯車を使用し、大口径歯車は直径216cmで、ピッチ円誤差5μm以下という超高精度仕上げです。追尾精度(大気誤差除く)は周期誤差1秒以内とこれまた超高精度とのことです(ニコン75年史による)。
e0208718_20483546.jpg
モータの発達で今はダイレクトドライブが可能。
e0208718_20484492.jpg
20cm案内鏡(焦点距離3300mm(国立天文台アーカイブ新聞927号pdf参照))です。笠井トレーディングのSTマイクロフォーカス接眼部と思われるものに交換されています。主鏡筒の焦点距離と合わせているのがポイントでしょうか。この頃はすでに量産の20cm屈折(F=12)も製作されており、3300mm(F=16.5)となると特注の焦点距離鏡筒となります。特別公開での夜の観望は、おそらくこの鏡筒で実施されたと思います。機会があれば観てみたいです。
e0208718_20514661.jpg
過去はこのようになっていました。
e0208718_2049042.jpg
別のアングルからです。
e0208718_20491654.jpg
接眼部はK-60mmです。
e0208718_20505456.jpg
こちらは後部の接眼部です。O-13mmの接眼レンズがついていました。
e0208718_2052497.jpg
鏡筒裏面部です。約2m程あります。主鏡サイズは冒頭でも述べました通り、150cmあり、重量は1350kgあります。裏面、側面部より18カ所で均一に支えられ、各支持点は球面軸受けを介して天秤はかりのようにバランスがとられているとのことです(ニコン75年史より)。
e0208718_20521216.jpg
主鏡を蒸着する際の、鉄路が引かれています。
e0208718_20521889.jpg
1階天井から見上げた開口部です。
e0208718_20523054.jpg
そのまま地下蒸着室に降ろせる構造になっています。現在は蒸着は外注で、使われていないとのこと。
e0208718_20523557.jpg
特別公開日では展示スペースとなっていたため、運搬用の大型ケースが外に置かれていました。
e0208718_20531059.jpg
最後に、105cmシュミット望遠鏡の銘板です。

天文月報バックナンバーに105cmシュミット望遠鏡の記事があります。
1973年10月表紙1973年10月
1975年1月その1(pdf)その2
天文月報1994年8月(pdf)
[PR]
by Starlight_365 | 2017-09-17 21:42 |  ・ニコンの望遠鏡 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://astro365.exblog.jp/tb/26055822
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
ブログトップ