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東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所
【地図】

【衛星写真】Googleマップ

中央道伊那ICから権兵衛トンネルを抜け、国道19号を南下し、県道20号から山道を駆け上ったところに東大木曽観測所があります。現時点での施設の正式名称は『東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所』とのことで、漢字が27文字あります。
HPによると通期で午後より望遠鏡と展示室の見学が可能です。今回の掲載は、過去何度かの一般特別公開での写真を交えて紹介します。

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施設1km手前にある門です。
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右側の比較的新しい案内板です。
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左側の案内板です。シュミット望遠鏡として世界第4位の大きさとのことです。
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こちらは、先述の門を超え数百m進むともう一つの門があり、そこでの案内板です。1974年(S49)10月1日開所とあります。
長嶋茂雄氏が「巨人軍は永久に不滅です」と引退表明したのがこの年の10/12で、そういう時代にできた望遠鏡です。ちなみに同じ日に中日が優勝だったとのこと。
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ドーム外観。建物部の石タイルが特徴的です。
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今年はケータリングのピザ屋さんが来ていました。
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ステンレスのドーム部は40年以上経過で一部錆がみえますが、全体的には輝きを有しており太陽光をまぶしく反射させていました。
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ドーム製作は堂平天文台ドームも担当した三井造船です。
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写真乾板です。35.6cm角1mm厚のガラスが用意されていました。コダック社製と記載があります。
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誇張して赤線を追記していますが、肌色になった裏面押せえ部が中凸形状になっているのがわかりますでしょうか?完全なフラット形状ではなく、望遠鏡の結像面に合わせて中凸状になっています。
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写真から撮像素子に代わっていますが、その試作です。黒い枠内にあるCMOSの配置が、上述の中凸形状に沿って配置されています。厳密にはCMOS単体も曲面に作らないといけないのですが、聞くとこの分割なら公差内とのことで、我々が使用するデジカメと同等フラットのままです。
これは試作のため一列分しかありませんが、Tomo-e Gozen projectではXY8x12列分の配置で実視野9°相当を得る予定とのことです。その視野は10x50WX双眼鏡と同等の視野で、かなりの広視野であることがわかります。CMOS間は写らない領域が出るのですが、そこはアマチュアの撮影と同じようにモザイク撮影するのだそうです。
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今年初公開の「自動現像暗室」です。ワクワクしますね。
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手で現像しているとガラス乾板を割ってしまうので、自動で現像できる装置が置かれています。赤丸部に乾板をセットします。リニアスケールと駆動部がX,Zに用意されており、自動で現像工程を流せるようになっていました。
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概要解説です。
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この105cmシュミット望遠鏡用のブリンクコンパレータは、大阪市立科学館に展示されています。
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その解説です。
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by Starlight_365 | 2017-09-17 21:46 |  ・ニコンの望遠鏡 | Trackback | Comments(0)
その1からの続き。
メインの105cmシュミット望遠鏡。
補正板径1050mm、主鏡径1500mm、焦点距離3300mm、F=3.1。シュミット望遠鏡の場合、補正板径で語られるのですが、主鏡サイズは、当時国産最大の直径150cmあります。
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こちらは以前、カメラを渡し撮影して頂きました。
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人のサイズからも、この望遠鏡の大きさがわかるかと思います。
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ローアングルで撮影するとその大きさが引き立ちます。ニコン75年史によれば、搬入時は全体を分割し、複数台のトラックで運搬とのこと。その際、山道での振動、衝撃を極限に抑えるためトラックごとに加速度計を取り付け、コースごとの走行速度(例えば時速6km徐行)を決め運搬したとのことです。
その頃の様子を伝える写真が国立天文台アーカイブ新聞804号(pdf)825号(pdf)826号(pdf)870号(pdf)に掲載されています。
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望遠鏡の断面図です。写真乾板ホルダーと記載あるところが焦点面であり、鏡筒のど真ん中にあります。今は、ここに撮像素子が配置されています。ちなみに素子はキヤノン製です。
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ドームに白い布がつるされています。これはホワイトバランスをとるための布で、アマチュアの天体写真と同じです。
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こちらは対物プリズムで、断面図にあるように鏡筒先端に付けます。頂角2°と4°用があり、グラブパーソンズ製、枠は法月鉄工所製(続アマチュア天文史P289より)とのことです。
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こちらもカメラをお渡しし撮影して頂いた画像です。主鏡側のカバーと思われます。
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こちらはロボットアーム。三菱電機製です。フィルター交換で活躍します。鏡筒にロボットアームがあるのはこの望遠鏡だけとのこと。
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フィルターストックと左に赤フィルターが挿入された状態が撮影されています。先のロボットアームにて、フィルターストックから取り出し、左に差し込みます。つかむところは、ステンレスのピンが2本見えています。
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駆動系の解説です。2013年に西村製作所にてモータ直結に改造されました。40年以上経過した望遠鏡がキヤノン、三菱電機、西村製作所、ニコンと国内の名だたるメーカの手によって今でも最新の機材として生かされています。
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昔のギア群です。約100個の歯車を使用し、大口径歯車は直径216cmで、ピッチ円誤差5μm以下という超高精度仕上げです。追尾精度(大気誤差除く)は周期誤差1秒以内とこれまた超高精度とのことです(ニコン75年史による)。
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モータの発達で今はダイレクトドライブが可能。
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20cm案内鏡(焦点距離3300mm(国立天文台アーカイブ新聞927号pdf参照))です。笠井トレーディングのSTマイクロフォーカス接眼部と思われるものに交換されています。主鏡筒の焦点距離と合わせているのがポイントでしょうか。この頃はすでに量産の20cm屈折(F=12)も製作されており、3300mm(F=16.5)となると特注の焦点距離鏡筒となります。特別公開での夜の観望は、おそらくこの鏡筒で実施されたと思います。機会があれば観てみたいです。
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過去はこのようになっていました。
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別のアングルからです。
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接眼部はK-60mmです。
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こちらは後部の接眼部です。O-13mmの接眼レンズがついていました。
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鏡筒裏面部です。約2m程あります。主鏡サイズは冒頭でも述べました通り、150cmあり、重量は1350kgあります。裏面、側面部より18カ所で均一に支えられ、各支持点は球面軸受けを介して天秤はかりのようにバランスがとられているとのことです(ニコン75年史より)。
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主鏡を蒸着する際の、鉄路が引かれています。
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1階天井から見上げた開口部です。
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そのまま地下蒸着室に降ろせる構造になっています。現在は蒸着は外注で、使われていないとのこと。
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特別公開日では展示スペースとなっていたため、運搬用の大型ケースが外に置かれていました。
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最後に、105cmシュミット望遠鏡の銘板です。

天文月報バックナンバーに105cmシュミット望遠鏡の記事があります。
1973年10月表紙1973年10月
1975年1月その1(pdf)その2
天文月報1994年8月(pdf)
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by Starlight_365 | 2017-09-17 21:42 |  ・ニコンの望遠鏡 | Trackback | Comments(0)
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